■ メディア リテラシーはインターネットよりも古い概念
テレビなどの番組中でアナウンサーが原稿を読むとき,たとえ同一の原稿であっても 読み方の口調やアナウンサーの表情の違いで,視聴者に与える印象は全く違います。 また, 背景の音楽が重苦しい,軽やか,音楽無しの違いだけでも伝わる印象は異なるものです。 番組の広告主にとって都合の悪い情報や表現は避けられることが多いことも, 油断していると忘れがちです。
メディア リテラシーの 「メディア」 は 主にマスメディアのことを指し, メディア リテラシーの主眼は, マスメディアなどから提供される情報をいかに上手に消化吸収するかということにあります。 もし,情報提供のやり方が偏っていたり脚色されていたりする場合も, それと見抜く力が問われます。
1990年代にインターネットが世界的に台頭して以降, メディア リテラシーの 「メディア」 が意味する範囲には, 身近になったWebや電子メールなども含まれるようになりました。 それに伴い, 「受け取り方」 だけではなく 「発信の仕方」 も意識する必要があることも, 自然とメディア リテラシーの範疇に入ってきています。
■ 情報活用能力とはどういう能力か
文部科学省で2002年6月にまとめられた 「情報教育の実践と学校の情報化」の序章では, 「情報活用能力」の重要性が協調され, 「情報活用能力」を構成する3つの要素として,
- 情報活用の実践力
課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて, 必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し, 受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力 - 情報の科学的な理解
情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と, 情報を適切に扱ったり, 自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解 - 情報社会に参画する態度
社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し, 情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え, 望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度
なお, 「情報活用能力」は「情報リテラシー」そのものであると考えることもできますが, ここでは, 「狭義の情報リテラシー」に留まりがちな情報リテラシー教育の現状を踏まえ, 「情報活用能力」がそれに欠けている部分を指すものとして用いています。
■ 情報教育,情報基礎教育
情報リテラシー教育と同様な意味を持つ言葉として, 「情報基礎教育」,「情報教育」があります。
「情報基礎教育」 という言葉は, 特に,高等教育機関での教育に対して多く用いられ, ほぼ 「情報リテラシー教育」 と同じ意味で使われているようです。
「情報教育」は,初等中等教育について語る文脈では, 情報リテラシー教育とほぼ同じ意味で用いられます。 また,他教科と連携して実施されることも多いので, 「情報教育」の意味の中に 「情報技術を活用した効果的な教育・学習」も含まれることもあるようです。
高等教育を論じる文脈では, 「情報教育」は「情報基礎教育」よりもさらに専門的な情報技術を 習得させるための教育,というニュアンスも含むこともあります。
参考にしたページ :
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/medialiteracy.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/情報教育
http://ja.wikipedia.org/wiki/情報リテラシー
http://ja.wikipedia.org/wiki/コンピュータ・リテラシー
http://ja.wikipedia.org/wiki/メディア・リテラシー