第3回 高校での情報リテラシー教育

高等学校では,2003年度より教科「情報」が必修科目として実施されており, 情報リテラシー教育への関心は最近特に高くなっています。 現状および問題点を概観します。

高等学校の教科「情報」では何を教えるのか

概要

高等学校の普通教育の教科「情報」は, 2003年4月に新設され,必修教科として実施されています。 文部科学省の 高等学校学習指導要領 の「第2章 普通教育に関する各教科」にある 「第10節 情報」(指導要領ページ内を「情報及び情報技術を活用」で検索) に内容の記述があり, 科目名として 「情報A」,「情報B」,「情報C」 が示されています。 大雑把に言えば, となります。

「情報A」,「情報B」,「情報C」 は,それぞれ独立した内容を持っており, 別々に履修することが可能ですが, 現状では 「情報A」 のみを開講している高校が多いようです。

情報A

学習指導要領を見ると,「情報A」の目標として,

コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を通して, 情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識と技能を習得させるとともに, 情報を主体的に活用しようとする態度を育てる。

とあります。

また特徴的なのは, コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用した実習を 積極的に取り入れることになっている点で, 「情報A」では総授業時数の2分の1以上を実習に配当すること が原則です。

「情報A」の内容は大きく4項目

から成っています。

これらの各項目で具体的に何を学ぶのかは,各社から出版されている教科書 (一例)や, NHK高校講座 情報Aのサイト等で確かめることができます。

情報B

「情報B」の目標は,

コンピュータにおける情報の表し方や処理の仕組み, 情報社会を支える情報技術の役割や影響を理解させ, 問題解決においてコンピュータを効果的に活用するための科学的な考え方や方法を習得させる。

です。 「情報B」では総授業時数の3分の1以上を演習に当てることになっています。

情報C

「情報C」の目標は,

情報のディジタル化や情報通信ネットワークの特性を理解させ, 表現やコミュニケーションにおいてコンピュータなどを効果的に活用する能力を養うとともに, 情報化の進展が社会に及ぼす影響を理解させ, 情報社会に参加する上での望ましい態度を育てる。

です。 「情報C」では総授業時数の3分の1以上を演習に当てることになっています。
階段

参考にしたページ :
ウィキペディア 情報 (教科)
高等学校学習指導要領 第10節 情報 (ページ内を「情報及び情報技術を活用」で検索)
新学習指導要領・生きる力 (高等学校:平成25年度入学生から)
愛知県総合教育センター 教科「情報」
NHK高校講座 情報A
情報処理学会 初等中等情報教育委員会

教科「情報」関連のページ :
東京学芸大学附属図書館 高等学校 教科「情報」
情報教育Wiki
コンピュータ教育推進センター
インターネット活用のための”情報モラル”刊行物 (コンピュータ教育推進センター)
教科「情報」 指導案&教材 岩手県立総合教育センター 情報教育室
平成25年度使用都立高等学校用教科書の採択結果について
文部科学省「情報化への対応」