第4回 大学での情報リテラシー教育
大学で行われる情報リテラシー教育は何を目的にしているのでしょうか。
高校までの情報リテラシー教育とはどう違うのでしょうか。
■ 大学生活で情報リテラシーが必要とされる場面
高校までの情報リテラシー教育とは違い, 大学での情報リテラシー教育は, 国の施策により行われるようになったのではなく, 大学として必要に迫られて実施されるようになった場合が多いです。◆ 来週までに表計算ソフトでこの表を作っておきなさいよ
大学では, 世間一般ではまだコンピュータやインターネットなどが普及していない時代から, 研究活動や授業の一環として, 電子的な方法でレポートや論文を書かせる機会が比較的多い状況にありました。 実験結果やアンケート調査結果などに対してデータ分析手段を駆使するスキルも文系理系を問わず必要です。◆ 就活はウェブエントリーで始まります
就職活動での学生と企業との間のやり取りには, 電子メールやWebベースのシステムが多用されます。 それを使えることが,志望の会社にアクセスする第一歩であり, 1次審査はWebで入力したデータや作文で評価されることも多く, 学生の意識も低いはずがありません。◆ ヤバいかもしれないけどバレなきゃいいよね
大学に入学してくる学生は達成感や解放感や期待感に満ちあふれてやって来ます。 親の保護下にある子供から独立独歩の大人へと移り変わる過渡状態, モラトリアムの日々を充分謳歌し, 社会へと飛び出て行く前の模擬練習から多くのことを学ぶんでもらうのは, 社会全体の健全性維持の為にも大変重要なことです。
とはいえ,インターネットに漂う匿名性の誘惑幻惑に惑わされながらも, 分別を持つ心を育んでもらわなければいけません。
◆ 私のパソコンがなんかよくわかんないけど調子悪くなったんですけど
コンピュータや情報ネットワークが不調になるのは良くある話ですが, 大学生なら原因特定のスキルは身につけておいて欲しいところです。
しかし,コンピュータウイルス対策の不備, 悪意を持つスパイウェアなどをうっかり入れてしまう, ネットワーク接続の設定がうまくいかない, そもそも自分の設定方法が悪いのかネットワーク自体が不調なのか判断がつかない, など良くある話です。
ネットワークに接続されたコンピュータであれば, いまやパソコンであろうがサーバマシンであろうが, クラッカやスパマからみれば同程度の価値のある標的・踏台ですから, インターネットを利用する学生なら文系理系を問わず, コンピュータ管理者,ネットワーク管理者としての基礎的な知識は必須です。