第11回 SCORM APIとJavaScript 1

eラーニングコンテンツに関する国際標準規格であるSCORMにおいて, JavaScript が SCO と LMS の間のやり取りの APIを記述する言語として用いられています。 そのAPIの基本について学びます。

SCORMとは

SCORM (Sharable Content Object Reference Model) は, eラーニングコンテンツに関する国際標準規格です。 アメリカ合衆国の ADL (Advanced Distributed Learning Initiative) が策定しており,日本でも, NPO法人日本イーラーニングコンソシアム が日本語版ドキュメントの公開や研修会を行うなど, 普及促進が行われています。

SCORMに準拠したコンテンツは, eラーニングシステムやそのバージョンが変わっても, 基本的には書き直す必要がなく, 一度作成した優秀なコンテンツは, 「部品」としてさまざまな授業等で使い回すことができます。

現時点で SCORM 2004 という規格が最新版ですが, ここでは, 様々なeラーニングシステムで現在サポートされている SCORM 1.2 について学びます。

LMS と SCO

eラーニングのシステムにおいて中核となる LMS (Learning Management System) は,様々な組織で普及しつつありますが, 個々の LMS で作成したコンテンツ(特に,自動採点テストや課題提出等)は, その固有の機能を利用しているため, 他の LMS ではそのままでは利用できません。

SCORMの規格では, SCO (Sharable Content Object) と呼ばれる単位でコンテンツをまとめ, 再利用可能な学習資料としています。 SCORMの規格が定めるのは, SCO と LMS とが情報をやりとりするインターフェイスの部分です。

SCORM APIとは

SCO と LMS とが情報をやりとりする時に用いる API (Application Program Interface) が,SCORM API と呼ばれます。 SCORM API は通例,JavaScript を用いて実現されています。 つまり,「SCORM準拠のコンテンツを作成する」ということは, LMS と通信することができるHTMLファイル等を作成することを意味し, (SCORM API の関数や変数を用いた)JavaScript プログラムを その中に書き込む必要があります。
踊らない木

SCORM対応コンテンツ作成に役立つ資料,サイト

SCORMコンテンツの具体例を学ぶ

日本eラーニングコンソシアムが公開している SCORMアセッサ研修テキスト は,SCORM準拠のコンテンツの中身について, 具体的に分かりやすく説明してある資料です。 一読し,タスク11 で理解度を自己確認しましょう。
タスク11 :
imsmanifest.xml とは何か,どのような情報が書いてあるかを, 100字 - 200字程度で簡潔に説明してください。
また,以下の命令の意味を簡単に説明し, その命令を使った具体的なコードの例(各々について1行のみ)を示してください。
LMSInitialize, LMSFinish, LMSSetValue, LMSGetValue, LMSCommit